お金をかけずに勉強しよう (2) IT分野の学習サイト

お金をかけずに勉強しよう (2) IT分野の学習サイト
Photo by Kimberly Farmer / Unsplash

前回の記事では、MOOCとOCWを活用して無料で学習する方法を紹介しました。

お金をかけずに勉強しよう (1) MOOCとOCW
最近は新しいことを学ぶハードルが本当に低くなりました。 インターネット接続環境と視聴デバイス、あとは自分の学ぶ意欲さえあれば、いつでもどこでも世界最高水準の教育にアクセスすることができます。 しかも無料で。(もちろん通信費はかかりますが) これは何の記事? この記事では、僕が実際に使ったことのある海外サービスを中心に、無料(または低価格)で学ぶことができるWebサイトを2回に分けて紹介します。 基本的には英語なので、英語ができる方はぜひチャレンジしてみてください。 ただあんまり英語が得意じゃないという方でも、一部サービスは日本語版を提供していたり、日本語字幕をつけることもできます。 これから英語ができるようになりたいという方には、「英語を」学ぶコースが用意されているものもありますし、何より「英語で」学ぶということは英語力アップに面白いくらい効果があります。 ここで紹介するものはすべて基本無料か低価格のものなので、試しに受講してみようなんてことも気軽にできるかと思います。 もしかしたらちょっと覗いてみると今まで考えもしなかった気になるテーマが見つかって、人生

今回は、IT関連の学習ができるサービスを紹介していきます。

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IT分野特化の学習サイト

IT分野に限らず、何かを学ぶ際には講義を受けるだけでなく自分の手を動かすことで定着につなげることができると思っているのですが、IT関連はその手を動かすための環境構築が必要なことがよくあります。

初心者にとってはこの環境構築がハードルになって学習に入るのが難しい場合も多いですが、ブラウザ上ですべて完結することができるインタラクティブな環境を用意してくれているサービスもあるので、そういったものを活用するとストレスなく最初の一歩を踏み出すことができます。

プログラミング、ソフトウェア開発

Freecodecamp

freeCodeCamp.org
Learn to Code — For Free

完全無料でWeb関連の技術を中心とした内容が学べるサイトです。

インタラクティブな環境が準備されていて、ブラウザにコードを入力すると自動で正誤判定がされる仕組みになっています。

ただ無料のままだと定期的に1分程度の寄付のお願いが出てくるので、本格的に勉強する場合には少し気が散るかもしれません。

Full Stack open

Full stack open
Open online course on JavaScript based modern web development by University of Helsinki and Houston Inc…

The University of Helsinkiの提供する、React, Redux, Node.js, MongoDB, GraphQL, TypeScriptといったWeb開発技術を学べるサービスです。

同大学のCS(Computer Science)課程での講義と同一の内容を無料で学習することができます。

インタラクティブな環境はありませんし、内容も経験者向けなので、まったくの初心者の方はいきなりこのコースから始めるのはおすすめしません。

受講要件は、

  • 何らかのプログラミング言語スキル(100-200時間程度の経験)
  • Webプログラミングとデータベースの基本的な知識
  • Gitでのバージョン管理の基本的な知識

あたりで、JavaScriptの知識・経験は特に前提とされていません。

他の言語の経験があってモダンなウェブ開発を学びたいという方には良いコースだと思います。

Scrimba

Learn to Code with Interactive Tutorials - Scrimba.com
Scrimba is a fun and fast way of learning to code! Our interactive courses and tutorials will teach you React, Vue, Angular, JavaScript, HTML, CSS, and more.

無料プランだと30以上のコースが受講できて、HTML, CSS, JavaScript, Reactなんかが学べます。

Codecademy

Codecademy Logo

無料で受講できるコースが400以上あって、Web開発、アプリ開発、AI、データサイエンス、セキュリティなど幅広い分野の学習をすることが可能です。

無料講座はCatalogからPriceフィルターでFreeを選択すると探すことができます。

競技プログラミングサイト

プログラミングの問題集みたいな感じで、パズルを解くような感覚で楽しく学習することができます。様々なアルゴリズムとデータ構造を学ぶのに活用できます。例えば以下のようなサイトがあります。

LeetCode

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Topcoder

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HackerRank

Dashboard | HackerRank
Join over 23 million developers in solving code challenges on HackerRank, one of the best ways to prepare for programming interviews.

Codeforces

Codeforces
Codeforces. Programming competitions and contests, programming community

データサイエンス

Dataquest

Dataquest: Learn Data Science, Python, and AI programming skills.
98% of learners recommend Dataquest for learning data science and Python programming skills. Better teaching = better outcomes. Start free.

データ分析やAIに特化した学習プラットフォームで、無料プランだと入門レベルのコースが受講可能です。Excelでのデータ分析方法から、Python、Rといったデータ分析に用いられるプログラミング言語、Tableau、Power BIといったBIツール、そしてデータ解析基盤を作るデータエンジニアリングまでデータに関わる幅広い分野の学習をすることができます。

Datacamp

Learn R, Python & Data Science Online
Learn Data Science & AI from the comfort of your browser, at your own pace with DataCamp’s video tutorials & coding challenges on R, Python, Statistics & more.

Dataquest同様、データ分析分野に特化した学習プラットフォームです。

ただこちらは無料プランだと、全てのコースのChapter 1だけしか見ることができず、コースを丸ごと学習するためには有料プランの登録が必要です。

Kaggle

Kaggle: Your Machine Learning and Data Science Community
Kaggle is the world’s largest data science community with powerful tools and resources to help you achieve your data science goals.

データサイエンスのコンペティションサイトですが、一部学習マテリアルも提供しています。

コンペに参加したり、他の人のコードをみることも実践的な学習として楽しみながらスキルを磨いていけるのでおすすめです。

サイバーセキュリティ

Cybrary

Cybrary: Cybersecurity Certification Courses & Cyber Security Training
Cybersecurity certification courses and cyber security training from Cybrary, for individuals and business organization teams to get IT, cybersecurity certified and develop career skills.

Cybraryはサイバーセキュリティ分野に特化した学習プラットフォームの一つです。無料プランのfree editionだと、サイバーセキュリティ資格のためのコースなどを受講することができます。

TryHackMe

TryHackMe | Login

TryHackMeもセキュリティ分野の学習ができるサービスですが、こちらは講義を受けるのではなく、用意されたサーバーに侵入したり情報を入手したりと実際に手を動かしてハッキングの練習ができるサイトです。

それぞれのコースはRoomと呼ばれ、各RoomにはいくつかのTaskが用意されています。そのTaskをクリアするための説明が一緒に書いてあってその通り一つずつクリアしていくウォークスルー形式で学習を進めるタイプのものもあれば、問題だけが提示されるものもあります。

無料のRoomはLearnからSearchを選んで、Subscription TypeでFree Onlyに絞って検索すると探すことができます。記事公開時点だと500くらいのRoomが検索結果に出てきました。

Room TypeでWalkthroughを選ぶとウォークスルーで説明をみながら学習を進めるRoom、Challenges (CTF)を選ぶと説明なしで問題を解く(ハッキングする)Roomを探すことができます。

Roomをクリアしていくとレベルが上がり称号を得ることができるなど、ゲーム感覚で楽しむことのできる工夫もされています。まずはレベル8のHackerを目指すと何となくセキュリティの話がわかってくると思います。

TryHackMe rank

Hack The Box

Hacking Training For The Best
From beginners to experts, this is where hackers level up! Join today and learn how to hack.

Hack The Box(HTB Labs)は公開されている脆弱性のあるマシンに対しての攻撃練習をするプラットフォームです。姉妹サイトのHTB Academyでは学習マテリアルを提供しています。

HTB Labs

Hacking Labs | Virtual Hacking & Pentesting Labs (Upskill Fast)
Access high-power hacking labs to rapidly level up (& prove) your penetration testing skills. Hundreds of virtual hacking labs. Join Hack The Box today!

無料版だと20のアクティブなマシンを練習することができます。

HTB pricing

HTB Academy

Best Online Cybersecurity Courses & Certifications | HTB Academy
Master cybersecurity with guided and interactive cybersecurity training courses and certifications (created by real hackers and professionals from the field).

cubeというコインのようなものを使って、学習したいマテリアルを開放すると学習ができるというシステムになっています。

無料登録すると基礎レベルのモジュールを受けることのできるcubeがもらえます。モジュールをクリアすると追加のcubeがもらえて、さらに学習を進めることができます。

ただすぐにcubeは無くなるので、しっかり学習を進めたいならcubeを買うかサブスク課金するかしないといけません。

IT関連企業の提供する公式トレーニングマテリアル

IT関連だと、ソフトウェア・ハードウェアを提供する企業がその内容を学習するマテリアルを無料で提供していることが多いです。

また、ベンダー資格といってそのスキルを証明する資格制度を導入していることもあるのですが、そうした場合は特に教育にも力を入れていて学習マテリアルが充実しています。

これらは単に製品やサービスの使い方を学ぶだけの場合もありますが、多くの場合その背景にある汎用的な知識も得られるように設計されていますし、大学の講義と比べるとより実用的な面に絞って学習を進められます。

例えば、Big Fourと呼ばれるAlphabet (Google)、Amazon、Meta (Facebook, Instagram)、Appleに限定してみても、多様なマテリアルが提供されています。

Google

Skillshop

Skillshop
Access free online training to develop skills for Google workplace tools. Learn at your own pace and get Google product certified along the way.

Googleは本当に多岐にわたる教育機会を提供していて、全て紹介するのは難しのですが、例えばこのSkillshopでは、Google Analyticsや広告、YouTubeの活用方法などを学習することができます。

Google Learning

Google Learning - Digital Learning Tools & Solutions
Explore digital learning tools and solutions from Google designed to help everyone in the world learn anything in the world.

上記Skillshopも含め、Googleが提供している学習マテリアルにはこのGoogle Learningからアクセスすることができます。

サイト内を色々見て回ると興味のある内容が見つかるかも

Amazon

Amazon Seller University

Amazon Seller University
You can do this! Many Amazon sellers are entrepreneurs—starting, building, inventing, experimenting. None of that is easy, but we’re here to help with a growing library of free resources to guide you towards success.

Amazonで商品を売る方法を学ぶことができます

Amazon Ads learning console

Amazon Ads Learning Console – Digital Marketing Courses : Learning console
The learning console offers free digital marketing courses and certifications to help advertisers learn how to best use Amazon Ads products and solutions.

広告やマーケティングの知識を学ぶことができます

KDP University

KDP University

KDPはKindle Direct Publishingの略で、個人でKindle本を出版する方法が学べます

Meta

Meta Blueprint

Learn new skills to build your brand or business

FacebookやInstagramを使ったマーケティングや広告について学べます

Apple

Apple Training

Overview
  • App Developer Training (iOSアプリ開発)
  • IT Training
    • Apple Device Support
    • Apple Deployment and Management
    • Apple Business Essentials

といったコースがあります

その他

自分が学びたいこと・やりたいことがあるなら、その分野でサービスを提供している企業のサイトをみてみると、結構チュートリアルやトレーニングのマテリアルが用意されているので、まずはその分野で規模の大きい企業のサイトを見てみるのがいいと思います。

番外編:YouTube

新しいことを学ぶのにYouTubeを使っている人って結構多いんじゃないでしょうか。

無料でいろんな内容のものにアクセスできる便利なプラットフォームですよね。

僕は知らないこととか学びたいことがあったらとりあえずYouTubeを検索することが多いです。

ただ面白い動画がたくさんあるので、自己管理能力の高い人は問題ないでしょうが、僕は気を抜くとずっと息抜きになっちゃうのが難点ですね。

その点学習専門のプラットフォームはそういう誘惑がないので、集中して学びたいときはそっちを活用するようにしてます。

おわりに

今回の2つの記事で紹介したのは基本的に僕が使ったことがある、または使おうと思って調べたことがあるサービスです。

世の中にはこれら以外にも本当にたくさんのサービスが存在します。

有名どころだと、

など。

ちなみに僕は普段はどんなことでもだいたいYouTubeやUdemyを活用していて、腰を据えてしっかり学ぶ必要があると感じたらedXやCoursera、OCWなどの大学のコースを受けてます。

技術的な話や特定のアプリケーションについて知識が必要だと思ったら今日の記事で書いたようなサービスも覗いてみて、良さそうなら一時的に課金するなりで短期集中で取り組むといった感じで使い分けています。

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Ghostでコードブロックや画像を折りたたむ方法

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GhostのエディタではCardsという機能を使って記事本文中に様々な要素を埋め込むことができます。 Editor cardsJump to a card * Images * Markdown * HTML * Gallery * Divider * Bookmark * Email content * Email call to action * Public preview * Button * Callout * GIF * Toggle * Audio * Video * File * Product * Header * Embeds * Signup Card The Ghost editor includes rich media objects called Cards, which can be inserted into your content to add

ghost updateをすると編集したテーマファイルが元に戻ってしまう問題の解決策

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以前Sourceテーマのファイルを編集して、タグ一覧のページを作りました。 Ghostブログにタグ一覧ページを作る (Sourceテーマの場合)記事を分類するのにタグをつけているのですが、いくらタグをつけたところで絞り込みに使えないのであれば何の意味もないですよね。 僕はSourceというGhostのデフォルトのテーマを使っているのですが、このテーマだと、それぞれのタグをそのままナビゲーションバーに設置することはできるんですが、ドロップダウンでタグを選んだり、タグの一覧を表示したりはすぐにはできないようです。 そこで今回は、Sourceテーマを使ってタグ一覧のページを作ってみましたという記事です。 Sourceテーマを使ってタグ絞り込みをしたいときにできること 上でも述べましたが、このテーマだと、ドロップダウンとか一覧ページはそのままだと出せません。 できるのは、それぞれのタグをナビゲーションバーに置くくらいです。 これは例えば、「ブログ」というタグをつけた記事があって、そのタグを持っている記事一覧を出せるようにしようと思ったら、ナビゲーションバーに「ブログ」という項目をわざわざ作ら

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Three.jsを使って作られた3Dモデルをブログ記事の中にCode injectionを使って埋め込めるのかなとふと思ったので試してみました。 本文中でHTMLカードに<canvas>タグ、Code injectionのヘッダに<style>タグでCSSを、<script>タグでJavaScriptを貼り付けると、ちゃんと動かすことができました。 埋め込んだのはThree.jsのマニュアルにあった以下の例です。 three.js manual コードの中身は全く理解できていませんが、3Dって面白いですね。 Three.jsでは3Dモデルをインポートして使用することもできるようですが、以下のようなところから素材を使わせてもらうこともできるみたいですね。 OpenGameArt.orgというサイトで、ゲーム制作をしている人には有名なのかもしれませんが、僕は初めて知りました。 OpenGameArt.orgOpenGameArt.org 素材によってライセンス形態が異なるようですが、先日の記事で描いたCC0みたいなライセンスにしてある3D素材もあって、Three.j

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僕は特別アートに詳しいわけでもないですが、たまに絵を見たくなることもあります。 そういうとき、思い切って美術館に行くこともあるにはあるんですが、基本的に出不精なのでネットで調べて満足してしまうことが大半です。 ただやっぱり画面の中で見るのはその一瞬だけですし、なんだか味気ないってのも正直あります。 この記事は、そんなときはパブリックドメインになっている絵画データを印刷するとなんかいいよってことを伝えたくて書きました。 こういう自由に利用可能な素材はブログの画像なんかにも使えるのもいいですよね。この記事のトップにもパブリックドメインの絵画をお借りして載せてみました。 パブリックドメインってなんぞや 高画質な絵画データでもパブリックドメインで無償でダウンロード可能になってるものが結構あったりします。 パブリックドメインとは、誰でも自由に利用可能(商用利用含む)な素材です。 パブリックドメインになっている素材は大きく分けて、 1. 著作権が切れたもの 2. 著作者がパブリックドメインにしたもの(CC0と表記されている) の2種類があるようです。 💡僕は